介護保険でホームヘルパーが出来ること・出来ないこと
介護保険制度がスタートしたのが、2000年4月です。
早いもので、もう20年なんですね。
介護保険がスタートする直前は、毎晩9時10時まで残業をしていたのを思い出します。
一部の人を除き、基本的には市町村の行政措置から社会保険制度に転換したので、それぞれ契約書も交わす必要がありました。
その事務量は半端なかったです💦
※一部の人→自費でサービスを利用していた人もいました。
そして、慣れないパソコン作業で、視力が1.5あったのが1年後には0.8まで落ちて、今ではメガネなしではいられなくなりました。
(更に、老眼鏡まで・・・)
そこで、今日は案外知らない「介護保険でヘルパー出来ること&出来ないこと」について書きたいと思います。
ホームヘルパーの仕事についてはこちらも詳しく書きました。
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介護の仕事
介護の仕事 介護に携わる仕事には様々な職種があります。 それ ...
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実際にあった無理な依頼
私が、17~8年程前に、訪問介護のサービス提供責任者をしていた時の事です。
脳梗塞の後遺症で、思うように家事が出来ない一人暮らしの女性に、週に3回ほど生活援助(当時は、家事援助)で訪問していました。
買い物や洗濯などは、近くに住む息子さん夫婦が担ってくれるとの事で、主に調理を行っていました。
「私は大食いなのよ」との事で、一人暮らしにはちょっと多いかなと思う量の調理を依頼されました。
それが徐々にエスカレートしていき、そのうちに大家族並みの量を依頼されるようになりました。
担当したヘルパーから「時間内で調理が終わらないので、サービスの時間を伸ばして欲しい」との訴えがありました。
そこで、状況確認の為にお客様宅を訪問すると、びっくりするような事実が確認されました。
「近所に住む息子夫婦は共働きで忙しいのよ。
だから、どうせ作るなら多めに作ってもらえば、息子夫婦の手間が省けるでしょう」
そうなんです。
近くに住む、息子夫婦の食事まで作らされていたんです。
もちろん、その女性は家族の食事は作れない事を知っていたので、「大食い」とアピールしていたんです。
確信犯ですね💦
バレて開き直ったのか、
「〇〇ヘルパーは料理が上手だから、お友達が遊びに来る週末に、おもてなし料理も作ってほしいのよね」と仰いました。
ホームヘルパーを使ってあげているんだから、それくらいしてくれても良いんじゃないかという言い方でした。
介護保険で、健康な家族の支援をすることは出来ません。
ましてや、おもてなし料理なんて・・・。
「そのような場合は、自費で利用できる家政婦さん等にお願いしてもらう他はありません」と、お伝えしたところ、「ケチ!」と言われ、契約を切られました。
当時は、制度をちゃんと理解していないケアマネジャーもいたので、「家族の調理もやってくれる他の事業所にお願いしました」と言われ唖然としました。
その後、どうなったかは分かりませんが・・・。
介護保険がスタートして、何度か大きな改定もされました。
最近は、ケアマネジャーも利用者も、制度を良く理解しているので、そんな事も減りましたがね。
介護保険のホームヘルパーとは?
ホームヘルパーの仕事は、介護が必要な方の自宅を訪問して日常生活のお世話をすることです。
食事や洗濯などの家事や、入浴介助や排せつ介助など身体的な介護の他、メンタル的なサポートも行います。
「入浴、排せつ、食事等の介護、調理、洗濯、掃除等の家事(居宅要介護者等が単身の世帯に属するため又はその同居している家族等の障害、疾病等のため、これらの者が自ら行うことが困難な家事であって、居宅要介護者等の日常生活上必要なものとする。)、生活等に関する相談及び助言その他の居宅要介護者等に必要な日常生活上の世話」
厚生労働省HPより
介護保険で出来ること
介護保険でお伺いするヘルパーの仕事は、身体介護と生活援助の2種類のサービスがあります。
もちろん、二つのサービスが混在することもあります。
今回は、生活援助のケースでお伝えします。
介護保険でヘルパーが出来る事の一部をご紹介します。
介護保険でヘルパーが出来ること
- 食事の準備・後片付け
- 生活必需品の買い物
- 掃除
- 衣類等の洗濯や干し
- ゴミ出し
- その他
本人が使っていない部屋の掃除や、本人以外の洗濯等も出来ません。
また、デイサービス等で入浴しているので、自宅のお風呂を使っていない場合は、お風呂の掃除もできませんので、ご注意ください。
介護保険で出来ないこと
あくまでも利用者が、自立した生活を送るために必要な援助をするので、同居の家族や仕事の用事などを頼むことはできません。
更に、エアコン内部の掃除や家のメンテナンス等もヘルパーに依頼することは出来ません。
必要な場合は、専門の業者に依頼する事になります。
介護保険でヘルパーが出来ないこと
- 日常生活を送るのに困らない援助
- 家族に対する援助
- 日常的な家事の範囲を超えている援助
私が過去に依頼された事があるケース(お断りしました)
- おせち料理等の特別な調理
- お客様や家族のおもてなし
- 家中の窓ふき
- ペットの散歩
- 庭の草取り
可愛がっている犬の散歩を依頼された時もありましたね。
子供同然に可愛がっていたので、気持ちはわかりますが、ペットの世話を介護保険でやることは出来ません。
また、居室の掃除のついでに、外出がままならない利用者のために、外を眺められる一部の窓だけを拭くことはありましたが、それ以外はお断りしました。
庭の草取りも同じです。
デイサービスに通う時に、転倒のリスクがあった一部の草をサッと抜いてしまうことはありましたが、基本的には庭師さんやシルバー人材センターに依頼してもらいました。
まとめ
生活援助のサービスを受けるには、基本的に一人暮らしや、同居家族が病気等で家事をするのが困難な場合に限られます。
特例もあります。
例えば、家族がネグレクト(介護放棄)している場合等です。
特例に該当するかどうかは、保険者(お住まいの市町村)やケアマネジャーに確認してください。
介護保険でのホームヘルパーの出来ること、出来ないことについて書きました。
介護の人材は常に不足しています。
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